どのような病気?

私たちの体は、常に心臓を中心に血液を循環させることによって、体中に酸素や栄養を供給しています。動脈を通じて心臓から足へ送り出された血液は、ふくらはぎの筋力により静脈を通じて心臓へ戻されます。この時重力によって下にさがりやすくなっている血液を逆流しないよう防いでいるのが、静脈内部にある逆流防止弁です。「下肢静脈瘤」とは、この弁が壊れて正常に働かなくなったために血液の逆流が起き、その結果として静脈内の圧が上がって血管が拡張し、足の表面に太く浮き出る、又は瘤のように膨らんでしまう状態のことをいいます。主に大小伏在・側枝・網目状・クモの巣などの状静脈瘤があります。

できやすい人は?

発生する危険性が高い条件というのが、何点かあります。

  1. 性別。男性に比べ筋力の弱い女性に発症する人が多いことが分かっています。
  2. 年齢。これは加齢により血管が弱くなって弁が壊れやすくなるため、発生頻度が高くなるといわれています。また6.でも述べてありますが、女性ホルモンの低下も原因の1つとなります。
  3. 遺伝。見逃せない要因です。親族に疾病経験を持っている人がいると、これも発生する頻度が高くなるそうです。
  4. 妊娠・出産。女性の場合はこちらの理由で発症する人が多いそうです。
  5. 立ちっぱなし。一日のほとんどを立ちっぱなしで過ごす、立ち仕事をしている人にも多く発症します。職業別で教師・美容師・調理師・看護師・キャビンアテンダントに多くみられます。また同じ状態での座りっぱなしの状態も危険です。たとえばエコノミークラス症候群の後遺症としなりやすいことが判っています。
  6. 血液還流血液還流が正常に働いていない原因としては、
    【1】下肢の筋肉が衰えていること。
    【2】呼吸が浅いために胸腔内の陰圧状態が不十分であること。
    【3】血液粘度が濃いこと。いわゆるドロドロ血液です。
    【4】血管硬度が柔らかいこと。意外なようですが、固いほうが良いのです。女性ホルモンが低下すると血管がゆるくなりやすいので、その結果やわらかくなってしまいます。

よくある病気なのですか?

認知は高くなりつつも、正しく理解されているとは言い難い血管疾患ですが、その発祥件数は決して少ないものではないのです。例えば、40歳以上の女性では、全体の約10%にあたる人に明らかな静脈瘤が認められるとされています。症状の程度が軽いものまで含めると、15歳以上の男女では全体の43%、30歳以上の男女では、全体の62%もの人に静脈瘤が認められたという報告もあるのです。